新緑の奥利根湖(奈良沢方面)

odo

2015年05月21日 22:00

5月17日(日)に奥利根湖(群馬県みなかみ町)で漕いできました。
奥利根湖は、利根川に位置する矢木沢ダムのダム湖です。
17日の奥利根湖 天候:晴れ 気温:18℃くらい 貯水率:99.3% 貯水位:約849.8m

5月8日に冬季閉鎖が解除された奥利根湖、残雪の景色を眺めてみようと早速先週訪れましたが9日は雨のため途中で引き返し、10日は風が強く漕ぐことができずに残念な思いをしておりました。そして翌週、またまた行ってきましたw
16日は天気が悪そうでしたので、天気がよさそうな17日にすてきな景色が見られることを期待して出かけてきました。17日は矢木沢ダムで点検放流が行われます。混雑に不安を抱きながら、いつもより早く自宅を出発しました。



晴れ渡ったこの日、残雪、新緑の奥利根湖を満喫することができました。

矢木沢ダムの駐車場が満車になると困るので、いつもより早めの出発です。夜が明ける前には屋倉橋ゲートに到着しましたが、すでに車列ができていました。先頭からは10台目くらいかな、私の前は釣りをされる方、点検放流を見にきた方、それぞれ半々くらいのようでした。駐車できることに安堵し、しばらく仮眠します。
夜が明け、車内で準備を進めていると1台のバイクが車列を追い越して行きました。ダムの関係者ではなさそうです。閉ざされたゲートの脇を通過したのかな、管理用道路へと消えていきました。あれがいわゆるバイクの特権なのかな。寒いなか車内で長時間も待っている人には何なのアレと映ったことと察します。前列の方は日付が変わる前には到着していたそうです。

6時頃にゲートが開き、駐車場へと向かいます。無事に駐車できました。駐車場で艇を組み立てた後、ダムの堤体から写真を撮影します。矢木沢橋に近い管理用道路では駐車の列ができていました。矢木沢ダムでの一大イベントですので、ダムの周辺は早朝から大変にぎわっていました。



進入路ゲートの横の管理小屋で入湖の手続きをします。管理人の方からは、これからの天気などの情報を教えていただきました。いつもありがとうございます。この日は天気が崩れることはなく、穏やかとのことでした。



水際に艇を運び、準備を整え出艇しまーす。ボートの方々はすでに出航していましたので、のんびりと出発します。青空が爽快でーす。



しばらく漕ぎ進みY字の分岐点に到達しました。右側が本川(利根川)方面、左側が奈良沢、コツナギ沢方面です。今回は前回に引き続き、残雪の景観がすてきな左側の奈良沢、コツナギ沢方面へ進みます。





奥利根湖を訪れた際のお決まりになってきましたが、分岐から3方向の景色を撮影してみました。
まずは、奈良沢、コツナギ沢方面です。青空に残雪の景色が映えますね。



つぎはY字の分岐点です。遠方に見える幽の沢山にはたくさんの雪が残っていました。さらに奥には小沢岳が見えていました。



そして、本川(利根川)方面です。本川方面にもすてきな残雪の山々がありますが、この位置からは見ることができません。



水面に多少の乱れはありますが、すてきな景色に巡りあえました。ザ・リトルカナダな風景ですね!(←このような表現が適切なのかはわかりません。。)
フォトフレームに入れたくなるような風景です。そこで・・・



こんな小物を用意してみました。どうでしょう、風景を直接フレームに入れてみましたww
フレームと水面を水平に合わせるのが、なかなか難しかったです。たくさんの写真を撮影しました。会心の一枚となりました。こんなことに楽しみを感じるアホなおっさんですw



分岐を奈良沢、コツナギ沢方面へ進むと本川方面の残雪の山々が見えてきました。右手前は赤倉岳、左奥は群馬・新潟の県境に位置する平ヶ岳かな。
急峻な山々に囲まれている奥利根湖では、視点場がちょっとずれるだけで見える景色が異なります。少し移動しただけでこの景色も見えなくなってしまいます。



今回もいつもと同じコースの幽の沢、悪沢方面へ進みます。



悪沢へ到着です。午前中の比較的早い時間帯でしたので、ゴルジュの奥の方まで日差しが届いていました。少し奥まで進入してみました。両岸は岩の壁、正面は雪の壁でしたw



この一週間でだいぶ雪解けが進みましたので、幽の沢に近づいてみました。流れが速く、岸に艇を寄せることは困難でした。



左岸の崩壊地の様子です。昨年の同時期より崩れた範囲が広くなったような気がします。
沢が湖へと流入する周辺で雪の塊が浮いていました。水はとても冷たかったです。



浸食された斜面にはたくさんの雪が残っていますので、しばらくはこの景色を楽しむことができそうです。空の青、木々の新緑、残雪の白がまぶしかったです。



幽の沢へと続く入り江から出る付近でカヤックと行き合いました。この日、カヌー・カヤックで湖面利用をされた方は少なかったようです。



悪沢、幽の沢がある入り江から出て、湖の左岸に沿って奈良沢方面へと向かいます。
対岸の西ゴンボリへと続く斜面の奥に、コツナギ沢と白ビ沢の分水界となる尾根筋が見えてきました。今回はこの斜面の急峻な岩肌の眺めを楽しみの一つとして訪れました。小さいですが左下にボートが写っていますよ。



西ゴンボリの雪渓です。北向き斜面で奥まった場所ですので、解けるのが遅いようです。西ゴンボリには帰りに寄ってみることにしました。



向かい風が強くなってきました。ときには突風も。艇がときおり回転してしまいます。風の影響による沈の危険性はなさそうです。近くに風裏になる入り江がありましたので、休息を兼ねて一時退避です。
満水の奥利根湖では、艇を降りて休息できる場所が限られます。ここ東ゴンボリでは、艇を降りて休息することができました。



風が弱くなりましたので、奈良沢方面へ向かいます。東ゴンボリがある入り江の対岸には雄大な景色が広がっていました。山の頂と湖面の標高差は700mほどです。小さいですが左下にボートが写っていますよ。そういえばこの日、湖上でボートを見かけることは少なかったです。点検放流の影響かな?



奈良沢(右)、コツナギ沢(左)の分岐に到達です。分岐からの景色を撮影します。



コツナギ沢方面。雪が残っているのは群馬・新潟の県境に位置する柄沢山かな。



奈良沢方面。左奥の山並みは越後山脈の山々です。



中イラ沢の辺りから、刃物ヶ崎山を頂とするコツナギ沢と白ビ沢の分水界となる尾根筋を眺めます。なかなか険しい山のようです。



東側の斜面は、絶壁を有する迫力がある急峻な岩肌でした。周辺の山々の岩肌よりもちょっと黒っぽいようです。地質が異なるのかな。人を寄せ付けない雰囲気がありました。
この視点場ですが、国土地理院の地理院地図3Dを利用して探しました。湖上から見える景色をシミュレーションするにはとっても便利な3次元の地形図です。



11時頃向かい風のなかようやく奈良沢へ到着です。矢木沢ダムの点検放流が終わった頃かな。



ちょっとした中州に艇を寄せます。まずは昼食です。天然石をテーブルとイスとして利用しました。



食後は周辺をちょこっと散策してみます。奈良沢の流れ。水がとても澄んでいます。清流ですね。



河原には雪が残っていました。日当りがよいのになかなか解けないとは、厳冬期に相当な積雪があったのかな。



準備を整え出発しまーす。奈良沢ですが、なかなか勢いがある流れでした。流れにうまくのって中州から離れます。
浅瀬でちょっと遊んでみます。モノポッドを使用して頭上からのカメラアングルで撮影してみました。澄んだ水よりもコーミングカバーの色あせが気になった一枚でした。。



中イラ沢の近くの崩壊地です。訪れるたびに崩壊の範囲が拡大しているようです。横方向だけではなく縦方向にも広がっていました。地肌に立つ樹木は今にも滑りそうでした。



コツナギ沢、白ビ沢へ向かいます。奈良沢、コツナギ沢の分岐まで戻ります。遠方で雪が残るのは武尊山かな。分岐からコツナギ沢方面へ進みます。正面で残雪が鮮やかなのは柄沢山のようです。



右岸の所々の斜面には、多量の雪が残っています。中腹に堆積しているのは斜面の上部から崩れてきたデブリです。今にも落ちそう・・・。



コツナギ沢(右)、白ビ沢(左)の出合いに到着です。静寂のなかにウグイスなどの鳥の鳴き声だけが響きます。



コツナギ沢(写真左)と白ビ沢(写真右)の流れです。流域面積により流量が異なりますが、コツナギ沢は勢いがある動の流れ、白ビ沢は穏やかな静の流れといった感じでした。



先ほど休憩したばかりですが、白ビ沢の右岸に広がる平らな堆積地に艇を寄せます。日あたりの関係かそこそこの雪が残っていました。この場所は静穏でとっても落ち着きます。



湖岸ではタムシバの白い花をよく見かけます。また、青々とした新緑がまぶしかったです。そういえば今季はヤマザクラの花を見かけなかったなぁ。すでに散ってしまったのかな。



周囲の景色を眺めつつ、湖の右岸に沿って出艇場所へと戻ります。時折振り向きながら、雪が残る山並みを撮影します。



行きに対岸から眺めた西ゴンボリに寄り道です。見応えのある雪渓でした。水際では5mくらいの高さがありました。西ゴンボリでは今後しばらくの間は涼むことができそうです。



Y字の分岐の近くから、幽の沢山(写真左)と赤倉岳(写真右)を眺めます。もうしばらくは残雪の山々の景色を楽しめそうですね。雪が残っている間に本川方面にも行けるかな。行きたいな。



Y字の分岐を通過し、ダムの堤体方面へ向かう途中、レイクウォークさんのカヌーツアーと行き合いました。午前は矢木沢ダムの点検放流を見学、午後は奥利根湖で散策とのことでした。盛りだくさんなツアーですね。



ダムの堤体が見えてきました。低い水温、何事もなく戻れたことに安堵します。点検放流では青いゲートから水が放出されました。



出艇場所まで間もなくといったところで、ドドドーという轟音を耳にしました。出艇場所に近い小白沢の上方の斜面で雪が崩れるのを目撃しました。100mくらい崩れ落ちたのかな、迫力がある光景でした。漕いでいる身近でおきたら、急な斜面の残雪には常に用心したほうがよいですね。



この日の出艇場所の状況です。ほぼ満水ですので、出艇できる場所は狭かったです。



駐車場に戻り、トイレへ向かうと・・・。駐車場から堤体方面へは歩行者用通路、ダム管理所の車両通行路として、バイクを含む一般車両の乗り入れ、駐車は禁止されています。車止めのポールで仕切られ、注意を掲示しています。バイクはポールの間を通過すれば禁止区域に入れます。何も通行の支障になる通路の真ん中に駐車しなくても・・・、周りのみなさんもそう感じていたようです。これもいわゆるバイクの特権なのかな。



駐車場で片づけをしているとカヌーツアーのみなさんが戻ってきました。残雪の山々に木々の新緑、湖上のカヤックの組み合わせが絵になりますね。湖上にカヌー・カヤックやボートがいると景色のスケール感が伝わりやすいですね。



漕ぎメーター。この日漕いだ距離は19kmでした。カヤックに乗っていた時間は5時間ほどでした。このうち1時間は写真を撮影していたかなw



漕ぎマップ。この日のルートは、出艇~悪沢~幽の沢~東ゴンボリ(休息)~奈良沢(昼食)~コツナギ沢、白ビ沢(休息)~西ゴンボリ~着艇でした。いつもと同じようなルートになりました。この季節、湖の西側では出艇後しばらくの間は艇を降りる場所はなさそうです。幽の沢で何とか降りられるかな。



今回の漕ぎ度は「9」です(MAXは10)。行きは向かい風の影響で少し疲労しました。帰りは追い風にのって帰ってこられました。
冬季閉鎖が解除された奥利根湖、3度目にしてようやくすてきな景色に巡りあうことができました。青空のもと、残雪、新緑の奥利根湖を満喫できました。この日は湖の西側を堪能しました。近いうちに湖の東側にも行けたらいいなぁ~♪
昨年もほぼ同時期に訪れ、ほぼ同じルートを漕ぎました。今季のほうが残雪は多く、春の訪れが早かったのではと感じました。この季節の奥利根湖はやっぱりイイですね。ただ、湖上でのなだれには要注意です。


余談ですが~

この日、矢木沢ダムでは点検放流が行われました。洪水吐きゲートから、最大毎秒約30立方メートルの水量を放流したようです。



ゲートから放流された水は、洪水吐き導水路を流れ、ダム下流の矢木沢川へと向かいます。導水路の延長は約430mあるそうです。洪水吐き導水路ですが、点検放流が行われる前と行われた後の様子を撮影してみました。左が放流前、右が放流後です。放流後は導水路がきれいになったようです。



洪水吐き導水路の流末です。スキージャンプ式洪水吐きと呼ばれています。ここから落差約30mの矢木沢川に滝のように放流されます。ネイチャービュー矢木沢の壁に全体図が貼ってあったのでパチリ。



この日の点検放流には、約1400名の方々が訪れたそうです。昨年は約1200名とのことでしたので、今年はさらににぎやかだったようです。年々盛大になるのかな。

点検放流では1時間で約60,000m3の水が放出されました。この放流量と矢木沢ダムの貯水の関係が気になりましたので、ちょっと調べてみました。

奥利根湖の湛水面積は5.1km2です。満水時における水深1cmの容積は51,000m3、60,000m3は水深1.2cmになるのかな。約50m3/sの流入量がありますので、点検放流による水位の変動はほとんどなさそうです。

矢木沢ダムを管理する沼田総合管理所が公開している水管理情報システムのダム諸量によると17日10時の貯水量は114,695千m3でした。60千m3は貯水量の0.05%になるのかな。豪快な点検放流ですが、関東の水瓶にとっては微々たる量のようです。

ここでの数値は概算ですので、間違っていてもあしからず~。

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