新緑の奥利根湖(奈良沢方面)

odo

2020年06月04日 22:00

5月29日(金)に奥利根湖(群馬県みなかみ町)で漕いできました。
奥利根湖は、利根川に位置する矢木沢ダムのダム湖です。
29日の奥利根湖 天候:晴れ 気温:19℃くらい 貯水率:95.9% 貯水位:約849.0m

コロナ禍により一般利用施設の開放が延期されていた矢木沢ダム、奈良俣ダムですが、5月22日に管理用道路などの施設が開放されました。開放後、初めての週末にならまた湖を訪れました。残雪、新緑の景色を楽しみにしていましたが湖の周辺に雪はなく、湖上から望める山々の残雪もわずかになっていました。ならまた湖の景色を見た後、できるだけ多くの残雪があるうちに奥利根湖で漕いでみたいと思っていました。
先日の休日出勤の代休の取れる期間が月末まででした。金曜日、奥利根の天気はよさそうでしたので代休を取って奥利根湖に出かけてきました。



県境の山々には思ったよりも多くの雪が残っていました。青空のもとでリトルカナダ、新緑の景色を満喫しました。

みなかみに到着後、諏訪峡大橋から谷川連峰を眺めます。峰々がくっきりと見渡せましたので、今日の天気は期待できそう。屋倉橋ゲートを通過し管理用道路を走行していると洞元湖越しに小沢岳の様子が目に入ります。思いのほか残雪が多かったので、今日の景色は期待できそう。



矢木沢ダムに到着後、駐車場で艇を組み立て貯水位を表示する量水標を確認します。この日の水面は849m付近にありました。満水位からは1m下がった貯水位です。進入路ゲートの横の進入路監視小屋で入湖の手続きを済ませます。



水際に艇を運び、準備を整え出艇しまーす。水が澄んでいましたのでそこそこの深さまで水底を見通せました。小白沢方面を眺めつつ奥へと進みます。湖岸を彩る新緑がきれいです。



ダムの堤体を背にして、Y字の分岐へ向かいます。湖面が穏やかでしたので軽やかなパドリングですーっと進みます。どんなリトルカナダの景色が見られるかな、期待が膨らみます。



Y字の分岐に到達です。標高が高い山々にはそこそこの残雪がありました。ならまた湖で見る尾瀬の峰々よりは標高が少し低いですが残雪の多寡は積雪の深さによる違いかな。



奥利根湖の概略図、今シーズン初めての奥利根湖は湖岸に残雪があればY字右側の本川方面、湖周辺に雪が残っていなければY字左側の奈良沢方面へ行こうと思っていました。ならまた湖の残雪の状況から奈良沢方面へ進みます。



分岐を左に進みながら奈良沢方面の山々を見渡します。青空に残雪の山々そして新緑、リトルカナダの美しい景色を見ることができました。



水面が鏡のようになるのをしばらく待っていましたがそれはかないませんでした。この光景を見ることができただけで十分です。何度見ても飽きることはありません。



展けた湖面から幽の沢、悪沢へと続く入り江に入ります。入り江に入ってすぐ気になる景色が目に留まります。



コツナギ沢と白ビ沢の分水界となる尾根筋と刃物ヶ崎山、荒々しい急峻な岩肌が気になります。



一段高い尾根が刃物ヶ崎山、名前のとおり険しい山容と岩肌です。



入り江を奥に進みます。静寂な山間にカッコウやハルゼミの鳴き声が響きます。



山肌を染める新緑の萌黄色が鮮やかでした。ブナやミヤマナラの新緑が見頃になっていました。



悪沢に到着です。日差しが奥の方まで届いていましたのでゴルジュの中が明るかったです。



ゴルジュを奥へ進みます。岩壁の合間に雪は残っているかな。



わずかな雪がスノーブリッジとして残っていました。解ける前に何とか間に合いました。悪沢を後にして幽の沢へ向かいます。



幽の沢に到着、堆積している土砂は平成23年7月の新潟・福島豪雨の際に流出したものです。荒廃した沢が回復するまでまだまだ長い年月がかかりそう。



幽の沢を行けるとこまで遡上してみました。木かげに冷たい水が流れ、ひんやりとした空気が心地よいです。暑い季節、貯水位が高かったらまた納涼体験に訪れてみよっと。涼みながら一息入れて戻ります。



穏やかな水面、静寂な湖上では時間がゆっくりと流れます。水没した木々、カエデの新緑などをのんびりと観賞しながら入り江を戻ります。



幽の沢、悪沢がある入り江のなかで新緑が一際鮮やかだった場所です。ブナやミズナラの萌黄色に加えマツの深緑など濃淡豊かな種々の緑が山肌を色取っていました。



入り江から展けた湖面へ戻ってきました。左岸に沿って奈良沢方面へ向かいます。青空に残雪の山々、新緑を眺めながらのパドリングはとても気持ちがいいものです。



右岸に見える西ゴンボリの周辺の雄大な山々の景色は迫力がありました。尾根に分布する常緑針葉樹の深緑、斜面に分布する落葉広葉樹の新緑のコントラストが見事です。



残雪の山々の景色を眺めながらのんびりとパドリングを楽しみます。平日でしたが20艘以上のボートが出ていたようです。湖面が広いのでボートを見かけることは少なかったです。



東ゴンボリの入り江を通過し、その西側に位置する入り江に進入します。奥にお気に入りの浜辺があります。浜辺の隣の沢の風情が何ともいい感じでしたので寄ってみました。緑に包まれた空間に和みました。



沢から浜辺へ向かっていると気になる景色が目に入ります。



コツナギ沢と白ビ沢の分水界となる尾根筋と刃物ヶ崎山、先ほどとは異なる角度で岩肌を眺めます。



この角度からの刃物ヶ崎山は岩壁が一層険しく見えました。



浜辺に艇を寄せ休憩です。日差しを浴びたブナの新緑が輝いていました。



奥利根湖でお気に入りの場所の一つです。浜辺で撮るこの構図が大好きです。



水の澄み具合、水深がちょうどよさそうでしたので、カヤックが飛んでいるように見えるかチャレンジしてみました。もう少し低い位置から撮影すれば飛んでいるように見えたかも!?



浜辺を後にして展けた湖面へ戻ります。入り江を出るときに見えるこの雄大な景色が堪りません。



左岸に沿って奈良沢方面へ向かいます。正面左は群馬・新潟県境に位置する永松山の残雪でY字の分岐から見るリトルカナダの景色の中央に見える山、正面右は一バンテ沢、三バンテ沢に残る雪渓です。



奈良沢とコツナギ沢・白ビ沢との出合いに到達です。雪が残るのは分岐の右が永松山、左が群馬・新潟県境に位置する柄沢山です。



出合いからコツナギ沢と白ビ沢の分水界となる尾根筋と刃物ヶ崎山が見えました。以前岩壁の状況を知りたくてドローンを飛ばしてみましたが距離があって撮影することはできませんでした。出合いから岩壁までは3kmほどあります。



この角度から見ると垂直に近い懸崖であることがわかります。写真で見える範囲の岩壁は高さが300mほどあるようです。



ズームのついでに雪が残る山々を撮ってみました。永松山の残雪の様子。



一バンテ沢、三バンテ沢の雪渓の様子、雪が残る尾根は三角点がある1790mの峰かな。県境にある三ツ石山(1586m)が見えるとのことでしたがこの稜線(約1500m~約1800m)の奥に位置するため奥利根湖からは見えないような気がします。ということで概略図から三ツ石山を削除することにしました。



出合いから漕いできた方向を振り返ります。奥には武尊山の山並みをはっきりと見ることができました。



奈良沢へ向かいます。水が澄んでいますので水深が浅くなってくると水底を見通すことができます。水底に堆積した砂に日が当たりキラキラとしていました。



奈良沢を行けるとこまで遡上してみました。澄んだ冷たい雪解け水に和みました。



艇を寄せるのにいい浜辺がありました。ここで昼食にしようと思いましたが風が吹き抜けるため場所を変更です。風が心地よいですがお湯が沸きにくそうでした。



奈良沢を後にして出合いに戻ります。奈良沢の水が湖に流入する場所ではエメラルドグリーンの湖面と新緑の萌黄色が鮮やかでした。



出合いからコツナギ沢・白ビ沢方面へ向かいます。日差しが強いので木かげを進むと快適です。満水位(850m)だと枝条の下に入れないため、この日はちょうどいい貯水位でした。



コツナギ沢と白ビ沢の出合いに到達です。青空に柄沢山の残雪と新緑が映えていました。



コツナギ沢を行けるとこまで遡上してみました。雪解け水でそこそこの流量がありました。



白ビ沢を行けるとこまで遡上してみました。雪解けは終わったようで流れはとても穏やかでした。白ビ沢を遡ると気になる岩壁の下方に到達できるのですが、私には残念ながらそのような勇気と体力がありません。



白ビ沢の堆積地に艇を寄せ昼食です。木かげが涼しくてよいのですが、以前、樹木の下で昼食をとっているときにケムシが落ちてきた苦い経験をしています。それ以来このスタイルになりました。チェア用パラソルはボイジャーにも取り付けられるため日差しが強いときは重宝します。



白ビ沢から奈良沢との出合いに戻る途中で谷間を埋める残雪を見かけました。まだ多くの雪が残り谷間には霧が立っていました。湖面へと流れるひんやりとした空気が心地よかったです。



出合いに戻りY字の分岐へ向かいます。最近は気温が高くなってきたため山々の残雪が見られる期間はそう長くはなさそうです。



本川方面からの帰りはやや単調な景色が多くだれてしまいがちですが、奈良沢方面からの帰りは変化に富んだ景色でパドリングをしていて飽きることはありません。





東ゴンボリの対岸付近に紅葉が美しい斜面があります。多様な樹種が混在し様々な彩を構成します。日差しが雲で遮られたため色が少しくすんでしまいましたが紅葉に劣らず新緑もきれいでした。



例年だと多量の雪が残っていることが多い西ゴンボリに寄ってみましたが雪はまったくありませんでした。。カエデの新緑、ヤマツツジの花を観賞しながら展けた湖面へ戻ります。



西ゴンボリがある入り江の付近からは残雪の山々を広く見渡せました。右の高い頂は小沢岳です。



Y字の分岐に差し掛かると本川方面で雪が残る山々が目に入ります。右は赤倉岳、左は平ヶ岳です。本川方面の山々も残雪が少ないようでした。



漕いできた方向を振り返りリトルカナダの景色を眺めます。奥利根湖を象徴する景色で多くの方を魅了します。帰りは雲が多い空模様でした。おかげで涼しく過ごすことができました。



分岐からは左岸に移動して奥利根湖の景色を広く眺めてみました。ほぼ満水の湖面から見る奥利根の残雪、新緑の景色は格別です。



ダムの堤体を眺めながら出艇場所に戻ります。矢木沢ダムの周辺の広葉樹は緑がだいぶ濃くなっていました。網場付近や進入路の近くでは流木の収集、除去作業が行われていました。お疲れさまです。水際はきれいに片づいていましたので艇の運搬が容易でした。



漕ぎメーター。この日漕いだ距離は約20km、漕いだ時間は約5時間でした。奈良沢方面としては少し長めの距離になりました。



漕ぎマップ。この日のルートは、出艇~Y字分岐~悪沢~幽の沢~東ゴンボリの隣の沢~奈良沢~コツナギ沢、白ビ沢(昼食)~西ゴンボリ~Y字分岐~着艇でした。新緑の季節に奈良沢方面を漕ぐときのお決まりのルートです。




今回の漕ぎ度は「7」です(MAXは10)。今シーズンの最長の距離となりましたが、強い風が吹くことはなかったため少し疲れただけで済みました。天気にも恵まれました。湖上にいる間ずっと日差しを浴びていたら暑さで疲労していたかも。景色を眺めたり撮影する際は青空が望ましいですが、これから暑くなる季節、長い距離を漕ぐ際は雲が多い方が体力的には楽かな。

コロナ禍により今シーズンの奥利根の残雪、新緑の景色は半ばあきらめていましたが何とか間に合いました。残雪は少なかったですが新緑の美しい景色を見ることができ満悦です。これからの季節は奥利根地域も夏日となる日が増えるためあまり暑くならないうちに本川方面にも行けるといいな。

駐車場で艇を片づけます。帰り際に駐車場から奥利根湖、奥利根の山々を見渡します。ここからの眺めもいい景色です。流木はボートによって集められ湖岸にまとめられていましたので湖面はすっきりとしていました。



そうそう、この4月に管理を開始した八ッ場ダム、その貯水池となる八ッ場あがつま湖で6月3日にカヌー体験の運用試験が行われたそうです。カヤック・カヌーはキャンプ場がオープンする7月の下旬から一般への貸し出しが始まるようです。7月以降は貯水位が洪水貯留準備水位(満水位より約28m下がった制限水位)より低くなるのが気になりますが、機会があったら漕ぎに行ってみようかな。自艇による湖面利用もできるといいなぁ。

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