若葉のながい百秋湖

odo

2019年05月09日 22:00

5月3日(金)にながい百秋湖(山形県長井市)で漕いできました。
ながい百秋湖は、置賜野川に位置する長井ダムのダム湖です。
3日のながい百秋湖 天候:晴れ 気温:14℃くらい 貯水率:107.6% 貯水位:約369.2m

最上川上流3ダム巡り、二つ目のダムは長井ダムです。ながい百秋湖の見所の一つは三淵渓谷で、高さ50mを超える断崖が200m以上続くそうです。舟でしか見ることができない秘境とのことで、どのような渓谷なのか楽しみにしていました。
こちらのダム湖をカヌー・カヤックなどで湖面利用をする場合は、事前に利用届出書の提出が必要です。利用日の前日までに届け出るとのことでしたので、昨日下調べで訪れた際にダム管理所で提出しておきました。FAXや郵送でもよいそうです。



風がそこそこあり予定していたルートは漕げませんでしたが、三淵渓谷には行くことができました。

長井ダムでの出艇場所は、ダムの堤体から4kmほど奥まった場所にある合地沢湖面広場です。一本道でしたので迷うことなく到着できました。駐車場の脇で艇を組み立て、準備を整え出艇しまーす。左手に野川第二発電所、右手にダム堤体方面へと続く湖面を見ながら分岐を左へ進みます。



湖面が展けた場所では風が少し強かったですが、両岸が迫り湖面の幅が狭くなった場所では風が弱く順調なパドリングです。野川渓谷をのんびりと進みます。



谷間には多くの雪が残っていました。標高は400mほどですがこれだけ雪があるということは雪深い場所なんだろうな。奥利根の景色を思い浮かべます。



直線からS字となる場所へ入ります。初めて見る景色ということもありますが、変化に富んだ地形でパドリングをしていて楽しいです。



木々の緑が少ない湖岸にヤマザクラとユキツバキの花が彩りを添えます。沢の水が流れる音と鳥のさえずりだけが聞こえていました。



S字を抜けた後はまた直線が続きます。南から北へ向かって進んでいますので、午前中の早い時間は左岸の西向き斜面は日が当たらず陰になっています。気になる滝や岩肌を撮影しましたが、暗い写真になってしまいました。。



直線をしばらく進むと分岐が見えてきました。右が布谷沢、左が野川(本川)です。三淵渓谷は本川方面にありますので分岐を左へ進みます。



分岐後まもなく特徴的な地形が見えてきました。両岸が急に狭まり深い渓谷になっているようです。ここが三淵渓谷の入口のようです。



断崖の合間をゆっくりと進みます。静寂のなかパドルで水を掻く音だけが谷間に響きます。



厳かな雰囲気の渓谷の景色を堪能しますが、上から雪が落ちてきたら困ると思いオーバーハングしている場所を常に探していました。雪解けの季節は上方の様子がわからないとちょっと不安になります。



渓谷を抜けると湖面が少し展けて周囲が明るくなりました。手を休め一息入れます。流れがでてきましたのでそろそろ湖の最奥地に到着しそうです。



雪解け水が勢いよく流れる野川の様子を見て戻ります。山深い渓谷ですがさらにこの上流には木地山ダムがあります。



幽玄な渓谷に再度入ります。この地には千年前の悲運にまつわる卯の花姫伝説があり、三淵神社が祀られているそうです。



渓谷を抜け野川と布谷沢の出合いに戻ってきました。現在の三淵神社は斜面の上部にありますが、以前はこの辺りにあり立ち枯れの木々はご神木だったようです。布谷沢に入るとすぐに行き止まりになりました。



布谷沢を後にして野川渓谷をのんびりと戻ります。左岸の斜面が少し明るくなってきました。



桜の花に木々の芽吹き、若葉を眺めつつ春の息吹を感じます。



野川と合地沢の出合いに戻ってきました。右手に見える建屋が野川第二発電所です。この後ダム堤体方面へ行ってみたかったのですが風が強く断念です。渓谷となる場所は比較的風が穏やかでしたが、湖面が展けた場所は風が強く私がカヤックを楽しむ条件ではなかったです。。



出艇場所の合地沢湖面広場を通過して支流の合地沢へ向かいます。正面は合地沢橋、奥に見える残雪の山は三体山です。



合地沢橋の先で支流の一つと合地沢が分岐していました。分岐を右へ進みます。合地沢に入るとすぐに行き止まりになりましたので引き返します。



支流の一つに入るとすぐに貯砂ダムがあり行き止まりになりました。



合地沢橋をくぐって合地沢湖面広場に戻りました。出艇場所では「絶景・三淵渓谷通り抜け参拝」のボートツーリングが出発するところでした。



漕ぎメーター。漕いだ距離は約9km、漕いだ時間は約2時間30分でした。ダム堤体方面へ行かなかったため予定より距離が短くなりました。



漕ぎマップ。この日のルートは、出艇~野川渓谷~三淵渓谷~野川~三淵渓谷~布谷沢~野川渓谷~合地沢~着艇でした。




まだ時間が早かったため、休憩しつつ風の様子をうかがいます。風が収まればダム堤体方面、風が弱くなればもう一度三淵渓谷方面へ行こうと思っていました。三淵渓谷方面では先ほど陰になっていた西向き斜面の気になる場所を撮影したいと思っていました。

ボートツーリングを運航されている方に話を聞くことができました。いろいろと参考になりました。ありがとうございました。しばらくすると次の便に空きがでたとのことで手続きを済ませ乗船できることに。風は弱くならず再度の出艇をあきらめかけていたところでしたのでツキがありました。

ということでボートツーリングによる「絶景・三淵渓谷通り抜け参拝」に出発しまーすw



西向き斜面にも日が当たり景色が明るくなりました。野川渓谷はお昼頃に訪れると美しい景観を楽しめそう。この日は出艇がちょっと早すぎたようです・・・。次回訪れるときはもう少し遅い時間に出艇しよっと。



ボートツーリングでは音声ガイドや船長さんによる案内があり、ながい百秋湖の見所や三淵渓谷、長井ダムについて知識を深めることができました。頻繁に訪れることができる湖では自分で見所を探す楽しさがありますが、訪れることがなかなか難しい湖ではその地に精通している方の案内がとてもありがたいです。

先ほどは暗い写真になってしまった滝、今度はいい感じで撮影できました。小比倉の滝です。木々の緑で覆われる前でしたので全容を見ることができました。



三淵渓谷へは手を合わせてから入ります。先ほどとは異なった心境で渓谷を通り抜けました。



展けた場所で転回し再び三淵渓谷を通り抜けます。三淵渓谷の入口の近くで合体木を見ることができます。異なる根から生長した幹が途中で一体になっている樹木です。んー、さすがパワースポット。案内を聞かなければ見過ごしてしまう見所です。カヤックから撮影した写真にも写っていましたが、そのときはまったく気がつきませんでした。



春の息吹に触れながらのツーリングはとても気持ちがいいものです。周囲の山々は落葉広葉樹が多いので紅葉見も楽しそう。ときにはクマが泳いでいることもあるそうです。



約1時間のボートツーリングを楽しみました。思いがけず貴重な体験ができました。



ダムへ戻る途中、気になる景色を眺めます。

折草沢橋から見る竜神大橋。ながい百秋湖は竜神大橋から奥が湖面利用できる範囲です。風が弱ければここまで漕いでみたかったです。野川と合地沢の出合いから竜神大橋までは約3kmです。湖面利用ができる範囲をすべて漕ぐと15kmくらいになるのかな。満水時だと艇から降りられる場所はほとんどありません。



竜神大橋から上流側の展望、湖上からの景色はまたの楽しみになりました。竜神大橋の下には以前使用されていた菅野ダムが沈んでいるそうです。



融雪により貯水位が上がっていましたので、常用洪水吐からの越流を見ることができました。長井ダムの満水位は367.3mですのでこの日の貯水位は満水位より2mほど高かったようです。そういえば合地沢湖面広場の駐車場の一部が浸水していました。



長井ダムからの帰り道、石渕渓谷の案内板が目に留まりましたので立ち寄ってみました。ダムから越流した澄んだ水が勢いよく流れていました。



ダム管理所で2枚のダムカードをいただきました。左が通常のダムカード、右が天皇陛下御在位三十年記念のダムカードでお召し列車のデザインです。



初めて訪れた長井ダム(ながい百秋湖)、興味深い景色が多くお気に入りの湖となりました。新緑や紅葉の季節にも訪れたくなる湖です。

あなたにおススメの記事
関連記事