避暑の菅沼

odo

2020年08月28日 22:00

8月22日~23日に菅沼(すげぬま、群馬県利根郡片品村)で漕いできました。
22日 天候:晴れ 気温:24℃くらい  23日 天候:くもり 気温:16℃くらい

8月1日に梅雨明けしてからは連日真夏日となるなど暑い日が続きます。10日からは猛暑日、熱帯夜が続くなど今年もまた暑すぎる夏になりました。この暑さいつまで続くのだろう・・・。強い日差し、高い気温のもとでのパドリングはちょっとつらいです。そんなときは早朝の涼しい時間帯に漕ぐか、標高が高い湖で清涼な風を受けながら漕ぐのが快適です。
先日は四万湖で午前中の涼しい時間帯にSUPを楽しみました。今度は標高が高い湖でパドリングを楽しみたいと思っていました。中禅寺湖がいいかなと思っていた折り、菅沼のことがふと思い浮かびました。キャンプ場に宿泊すればカヌー・カヤックの持ち込みができたはず。そこでテント泊の予約が取れたので菅沼キャンプ村でのキャンプ、菅沼でのパドリングを楽しみに出かけてきました。



暑さ続きで菅沼での避暑を心待ちにしていましたが、週末は天気が崩れ雷雨の予報となっていましたので天候が気がかりでした。

【8月22日(土)】

菅沼キャンプ村のオープンは午前8時です。8時過ぎにはカヤックの受付をしたかったため、少し早めに到着して駐車場の片隅で艇を組み立てておきました。申し込みを済ませ湖畔へ艇を運びます。駐車場から水際までは距離が長いためカヤックカートが役立ちます。



菅沼の案内板、前回見たのは2016年8月にSUPのツアーで訪れたときですので4年ぶりになります。久々の菅沼の景色にワクワクします。ボートのすき間に艇を下ろし準備を整え出艇しまーす。



予報では曇りでしたが青空がのぞき気分も晴れやかに。風はなく湖面は穏やかです。気温は20℃くらいですので心地よいパドリングで湖の奥へ進みます。



受付時にお借りした菅沼ガイドマップです。菅沼は手前から清水沼、弁天沼、北岐沼の3つの湖で構成されています。今回は3つの湖を湖岸に沿って漕ぐ予定です。カヌーが利用できる時間は日の出から17時までになっています。



清水沼、弁天沼、北岐沼の順で漕ぐとツアーの方々とかち合いそうでしたので、北岐沼、弁天沼、清水沼の順で漕ぐことにしました。清水沼から弁天沼へと進みます。



清水沼と弁天沼の境になるくびれを通過します。くびれの区間は水深が浅くなるため水底の様子を見ることができます。



弁天沼を直進して北岐沼との境になるくびれを通過します。さきほどよりくびれの幅が少し広いです。水の色の変化がきれいでしたので艇から降りて撮影してみました。



北岐沼に到達です。ここからは湖岸に沿って反時計回りで周回します。この日は釣りの解禁日ではないためボート釣りの方はいませんでした。解禁日であってもボート釣りの方は北岐沼へは入れませんので気にすることなくパドリングを楽しめます。



しばらく進むとターザンロープが見えました。以前ツアーで訪れたとき元気な参加者はロープでの飛び込みを楽しんでいました。ツアーの方々が休憩するマヤブルービーチと呼ばれる浜辺にちょっとおじゃましました。この浜辺で見る水の色のグラデーションがきれいですが、まだ日かげであったため色合いは今一つでした。訪れた時間がちょっと早かったようです。



浜辺を後にして北岐沼の北岸へ向かいます。菅沼の北側は標高約2000mの山々が連なります。といっても菅沼の湖面標高が約1700mですので、水面と峰々の標高差は300mほどです。



湖岸に沿って漕いでいると場所によってきれいな水の色が見られます。この場所ではターコイズブルーに近い色合いでした。菅沼の水の色は水深や水底の堆積物、光の加減によっても変わるためなかなか興味深いです。



アキアカネをたくさん見かけました。デッキにとどまったままのアキアカネ、しばらくの間、いっしょにツーリングです。



水が澄んでいますのでそこそこ水深があっても水底を見通せます。見えるのは砂礫や倒木などの自然物で空き缶などの人工物はまず見ることがないためパドリングをしていてとても気分がよいです。ちょっとした浜辺のような場所が見えてきましたので寄ってみました。



近づいてみると沢の上流から流出してきた土石が堆積し浅瀬が広がっていました。水辺に艇を寄せて小休止です。アニマルフットプリントビーチと呼ばれる浜辺のようです。過去にクマの目撃情報があったようなので長居はせずに先へ進みます。そういえばこの浜辺まで貸しボートで漕いできた方を見かけました。ボート乗り場からここまで最短のルートでも2km、私には無理かな。



菅沼の最も北に位置する湖岸へ向かいます。浅瀬が続く岸沿いは水がクリアなためパドリングがいつもより軽やかに感じます。正面のちょこっと展けた場所が神秘の流木ビーチと呼ばれる浜辺で菅沼の最北端になります。ここもクマに注意とのことですので浜辺には寄らずに進みます。



標高約1700mでも日差しのもとでは暑いです。木かげが涼しく爽快なのでできるだけ湖岸に寄って進みます。菅沼の木かげは快適で避暑には打ってつけです。



以前ツアーに訪れたとき幻の滝に案内していただきました。雨が降ったときにだけ現れる滝のようです。昨日は夕立があったと受付で聞きました。今回は運よく幻の滝を見ることができました。



西岸に沿って進んでいると日光白根山(標高2577m)が目に入ってきました。菅沼から白根山までは約3.5kmですので山容がはっきりとわかります。ちなみに中禅寺湖から白根山までは約10kmあります。



西岸の端にやってきました。菅沼の沼尻になるのかな。菅沼の水はここから導水路を通じて丸沼へと流れます。建物は発電管理施設のようです。



沼尻から見る菅沼の北側に位置する群馬・栃木県境の山並みの様子、ここから眺めるのは初めてですがなかなか見応えのある景色でした。



沼尻の周辺を漕いでいるときずいぶんと飛沫を上げながらパドリングをするカヤックがいるなぁと見ていたらトライアスロンのスイムが行われていたようです。対岸にはカヌーツアーの船団がやってきました。私が7年前にツアーに参加したときは10艇ほどと記憶していますがだいぶキャパシティーが増えたようです。真夏でも涼しく過ごせ澄んだ水でのカヌーツアーは大人気のようです。



沼尻からは南岸に沿って進みます。陽が射し込み水中深くまで見通せる場所がありました。こういった場所ではついついパドルを水中に差してしまいます。以前訪れたときに透明度を計測したことがありました。そのときの透明度は16mでした。今回も計測してみたかったのですが、キャンプ用具が嵩張り車両にセッキー板等の測定用具を積載することができませんでした。



原生林に囲まれた菅沼では湖岸に人が入らない場所が多くあります。そんななかとても風情のある岸辺が目に留まりました。澄んだ水と相まってとても興味深い景観でした。



南岸から見る北岐沼の西から北へかけての山々の様子、北岐沼は東西約500m、南北約1kmとそれほど大きな湖面ではありませんが雄大な景色を楽しめました。



上空には青空が広がり、そよ風が心地よいです。菅沼はのんびりとパドリングを楽しむにはちょうどいい広さです。気持ちに余裕ができますのでリラックスして過ごせます。



弁天沼との境になるくびれの近くから円弧を描くきれいな湖岸が見渡せました。変化に富んだ景色を楽しめるため、パドルをカメラに持ち替える回数がついつい増えてしまいます。



北岐沼を一周してきました。弁天沼との境になるくびれを通過します。弁天沼に入ると数艇のカヤックを見かけました。



弁天沼は北側を時計回りで進もうと思っていましたがおじゃまになりそうでしたので南側から反時計回りで周回することにしました。ここでもアキアカネといっしょにツーリングです。



清水沼の境になるくびれの付近から北岐沼の境になるくびれ方向を眺めます。弁天沼は低い山々に囲まれていますので北岐沼とはまた違った景色が楽しめます。



くびれから北側の湖岸を進みます。ここの岸沿いは比較的なだらかに水深が変わるため水の色の変化がわかりやすいです。



浅いところでは無色、やや深くなるところでは翡翠色、さらに深いところでは萌葱色といった感じです。光の加減がよく鮮やかなグラデーションを見ることができました。



弁天沼を一周してきました。今度は北岐沼の境になるくびれから清水沼の境になるくびれ方向を眺めます。こちらは標高2200m~2300mの山々が連なります。正面奥のこんもりとした頂は群馬・栃木県境に位置するの温泉ヶ岳(標高2333m)です。弁天沼を直進して清水沼との境になるくびれを通過します。湖岸に見えるフロートはトライアスロンのスイムの目印のようです。



くびれから北側の岸沿いを進みます。清水沼の湖岸は弁天沼の景色と同じような感じです。木々の緑、湖面の翠を楽しみながら出艇場所に向かいます。



出艇場所の東岸に近づくとカヌーツアーの方々が帰ってきました。時間をずらして戻ります。ドッグプールに近い岸辺に艇を寄せ、映画「ただ、君を愛してる」のロケ地となった湖畔で涼みます。



木かげでしばらく休憩した後、出艇場所に戻りました。菅沼を構成する清水沼、弁天沼、北岐沼の3つの湖のすべてを漕ぐことができ満悦です。約10km、約3時間30分のツーリングを楽しみました。



駐車場に戻り昼食、休憩です。チェックインは14時です。それまで木かげでのんびりと過ごしました。テント泊の受付後、葵の広場までリヤカーで荷物を運びます。ちゃっちゃと設営を済ませまたカヤックに乗ろうとしていたところ上空は積乱雲で覆われ雷鳴が響きます。しばらくすると土砂降りに。降雨は夜半まで続きました。


【8月23日(日)】

早々に就寝しましたので朝早く目が覚めました。湖畔から湖面の様子をうかがいます。雲は多いけど水面は波一つなく周囲の景色がきれいに映っていました。急いで準備を済ませ出艇しまーす。



人影がない静寂な湖面へ艇を進めます。しばらく進みキャンプ村の湖畔を見渡します。雲の合間からうっすらと陽がのぞきます。



朝の湖上は肌寒くパドリングジャケットを身に着けました。北岐沼の景色を見たかったため最短距離で二つのくびれを抜けました。



水面に木々の鏡像が鮮やかに映った円弧を描くきれいな湖岸が見られるかなと思っていましたがちょっと惜しかったです。



南岸から見る北岐沼の西から北へかけての山々の様子、こちらは周囲の景色が鮮やかに映っていました。朝の湖上は気分も景色も清々しいです。



昨日気になった風情のある岸辺を眺めて戻ります。しっとりとした木々の緑、苔の生した岩を見ていると何となく気分が落ち着きます。



弁天沼と清水沼の境になるくびれの付近では水面にうっすらと霧が立っていました。幻想的な景色を楽しみながら出艇場所に戻ります。



清水沼に入るとボート釣りを楽しまれている方をたくさん見かけました。この日は解禁日だったようです。釣りができる時間は午前8時からですのでその前の時間帯だと気兼ねなくパドリングを楽しめます。



湖上を後にして葵の広場に戻り朝食としました。テント泊のチェックアウトは午前11時です。のんびりと片づけた後、受付でお借りしたガイドマップなどを返却して菅沼キャンプ村を後にしました。チェックアウト後もカヤックに乗ることはできますが雲行きが怪しそうでしたのでやめておきました。

漕ぎマップ。漕いだルートは一日目が朱色、二日目が橙色です。一日目は北岐沼、弁天沼、清水沼の順で湖岸に沿って漕ぎました。途切れているのは休憩後の電源の入れ忘れです。二日目は北岐沼まで直線的に漕いで戻ってきました。




漕ぎメーター。一日目は約10kmを約3時間30分で、二日目は約3kmを1時間弱で漕ぎました。ともに疲れはほとんどありませんでした。



久しぶりに菅沼を満喫しました。この時季のカヤックは、組み立て、分解を含め暑さできついものがありますが、菅沼であれば涼しく快適に楽しめます。また暑すぎる夏がきたときは訪れてみよっと。


余談ですが~

お盆期間中の休日に赤城公園キャンプ場でキャンプをしてきました。なかなか予約が取れない赤城公園キャンプ場ですが、気になっていたCサイトの予約を取ることができました。平野部では猛暑日、熱帯夜が続いていますが赤城大沼の湖畔は涼しくて快適でした。備忘録としてサイトの様子などを写してきました。

以前下調べに訪れたときはAサイトが駐車場に隣接してて便利そうでしたが、道路が近く多くの方々の目に留まるため落ち着いたキャンプができない感じでした。そこで少し奥まったCサイトであれば人目につきにくくゆっくり過ごせそうでしたのでCサイトを予約してみました。

Cサイトの全景、小ぢんまりとした区画。サイトマップでの面積は約30平方メートル。



サイトを斜面上から見た様子、木々に囲まれ陰となる面積が広い。赤城大沼が道路越しに望める。



サイト内にハンモックを張れる樹木があり快適に過ごせた。



夕暮れ時の赤城大沼、西日に照らされた積乱雲がきれいだった。



気温が下がり大沼を眺めながらの焚き火が心地よい。



キャンプ場に近い湖畔から眺める朝の赤城大沼。この時間にカヤックを漕ぐことができたら気持ちよさそう。



チェックアウトは10時、ハンモックだけを残し赤城大沼の景色をのんびりと眺める。湖上では観光用モーターボートが勢いよく滑走していた。



隣接するサイトの様子、左からAサイト、Bサイト、Cサイト。Aサイト、Bサイトの前が通路。



道路から見えるCサイトの様子。木々に隠れあまり目立たない。



前回のFサイトと同様にメジャーで16方位のサイトの端までの距離を計測しておおよその長さを調べた。



計測した距離を図に落とし16角形を作図する。この図がサイトのおおよその形。



形状が複雑なためいくつか寸法線を入れてみた。サイトの出入口から中央付近までは緩く傾斜がある。樹木があるため大きめのテントやタープは張るのが難しい。



今回は隣のサイトの方々がにぎやかであったため、落ち着いて過ごすことができませんでした。落ち着いたキャンプを楽しむのにはどのサイトとも隣接していないFサイトが最適かな。


またまた余談ですが~

私が奥利根湖で楽しみにしている一つにくぐり岩チャレンジがあります。先日、今季初めてのチャンスが訪れましたがチャレンジはかないませんでした。

今年の矢木沢ダムは8月の中旬まで満水に近い状態が続いていました。中旬以降は著しく減水傾向となり、日によっては1m近く水位が下がっています。お盆以降、矢木沢ダムの貯水位の変化をダムを管理する水資源機構沼田総合管理所の沼田総管河川情報の流域状況表で頻繁に観察していました。満水位(850.0m)から5mほど下がった21日からの貯水位を整理してみました。それぞれの値は12時(正午)のものです。

     日 付    貯水位   増 減       備 考
  ───────────────────────────────────
    8月21日   845.1m     -
    8月22日   844.4m   0.7m▼
    8月23日   843.6m   0.8m▼
    8月24日   842.9m   0.7m▼
    8月25日   842.3m   0.6m▼
    8月26日   841.8m   0.5m▼
    8月27日   841.7m   0.1m▼
    8月28日   841.3m   0.4m▼

岩をくぐることができる貯水位(842.3m~842.5m)になったのは24日の午後でした。この近辺の貯水位の変化をさらに細かく時間単位でまとめてみました。

      日 時     貯水位    増 減      備 考
  ───────────────────────────────────
    8月24日15時   842.78m    -
    8月24日16時   842.64m   0.14m▼
    8月24日17時   842.50m   0.14m▼   くぐれそうな上限
    8月24日18時   842.35m   0.15m▼   くぐれそうな下限
    8月24日19時   842.22m   0.13m▼
    8月24日20時   842.23m   0.01m△

岩をくぐることができる貯水位の範囲となったのは24日の17時~18時でした。時間的に無理なことがありますが、この状況を事前に予測することは困難なため諦めがつきました。

24日以降も貯水位は下がり続けているため、くぐり岩チャレンジはしばらくお預けです。また貯水位が上がってきたらチェックしてみよっと。今年こそはくぐれるといいな。

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